山梨大学工学部 土木環境工学科 山梨大学 工学部 土木環境工学科

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何を研究してるの?

教職員一覧

研究内容

つくる

構造物をつくる

構造物をつくる その昔、人は1メートルにも満たないわずかな溝を渡るために木や石を置きました。これが橋の始まりです。今では、鉄やコンクリートを使って2000メートルを越える長さの橋を建設することができるようになりました。わたしたちの身のまわりには、ダム、トンネル、道路、港、空港、橋、鉄道、河川堤防など、様々な構造物が存在します。人と自然が共生する社会を実現するために、安全でより長く利用できる構造物の建設を目指しています。

まちづくり

まちづくり都市や地域には、まだ解決すべき問題があります。地震や洪水などの自然災害に強いまちづくり。高齢者が安心して生活できるまちづくり。山梨におけるフルーツやワインなど、地域産業が育つまちづくり。大気汚染や地球温暖化などの環境問題に配慮したまちづくりなど、人と自然にとってより良いまちづくりを目指しています。

まもる

人の命をまもる

人の命をまもる我が国は地震活動期に入っており、また地球温暖化により極端な気象現象が年々増加しています。地震災害(2011年東北地方太平洋沖地震、2016年熊本地震など)や気象災害(2017年九州北部豪雨、2015年関東・東北豪雨など)など、さまざまな自然災害が毎年発生しています。こうした自然災害から人の命を守るために、耐震構造や免震・制震技術、洪水の制御や豪雨観測などのハード技術と、被害を軽減するための情報システム開発や避難態勢構築、リスクコミュニケーションなどソフト技術の確立を目指しています。

自然をまもる

自然をまもる人の活動によって様々なごみが発生します。環境に悪い影響を与えないように適切な処理やリサイクルを目指します。人が汚した水は、下水道や上水道を整備することで、河川の水質を改善し、おいしい水を提供することを目指します。また、植物や微生物の力を借りて、汚染された土壌や水をきれいにすることを目指しています。

教職員一覧

研究グループ

(※五十音順)

分野 教授 准教授 助教
構造・材料・地盤系 齊藤成彦 後藤 聡
宮本 崇
吉田純司
梶山慎太郎
佐藤賢之介
水工水理学・水資源学系 相馬一義
大槻順朗
松浦拓哉
計画・防災系 武藤慎一 石井信行 佐藤史弥
環境・施設系 遠山 忠
原本英司
森 一博
中村高志
八重樫咲子

学科担当職員

事務職員 2名
技術職員 藤田宗弘
山本雄司

研究紹介

構造・材料・地盤系
図2
齊藤成彦
【研究テーマ】コンクリート構造物・複合構造物の性能評価技術に関する研究
図3  社会基盤施設の構築に用いられるコンクリート構造物や,新材料を組合わせた複合構造物等を長期間にわたって安全に利用するためには,構造物の建設から供用,廃棄・更新に至るまでの性能の経時変化を正確に把握することが重要です.そこで,構造物のライフサイクルにおける性能を精度良く評価できるコンピュータ・シミュレーション技術の開発に関する研究を行っています.
図4
吉田純司
 【研究テーマ】構造物の免震,ゴムの力学,道路路面の健全度評価
図1  近代的科学が導入される以前において,地震に対して構造物を安全に作る方法は,主として勘と経験によっていました.明治以降になって科学的な地震の研究と構造物の耐震に関する研究が始まり,多くの地震被害経験と研究によって日本では現在,世界をリードする設計・施工方法を確立するに至っています.これまでの方法では,構造全体が地震による水平力に抵抗できるよう,柱,壁,梁などに十分な強度,剛性,靭性を付与させるという考え方に基づき,狭い意味で「耐震構造」と呼ばれています.一方,構造物を柔軟でエネルギー吸収性能に富む装置により支持することで,構造物に作用する地震力を低減する工夫も古くから考えられてきました.このような方法は,地震に耐えるというより,地震から構造物を分離し,地震の影響を制御する,というものであり「免震・制振構造」と呼ばれ,科学技術の進歩とともに1970年代後半から実用化されるようになってきています.免震・制振構造では,装置の力学特性により地震の影響を低減しているため,安全で信頼性の高い構造物を設計するためには,適切な性能を有する装置を利用することが必要となります.本研究室では,積層ゴム支承やダンパーに代表される免震・制振装置について,詳細な実験を行い,その結果を基に装置の性能を精緻に予測するための力学モデルの構築を主に行っています.
gotosatoshi後藤 聡 【研究テーマ】地盤工学(地盤防災工学,斜面工学,建設工学)
図1  砂上の楼閣にならないように,社会基盤をしっかり支えているのが,「地盤」です.「地盤」に関する以下の研究を行っています. ・地震時の液状化被害と対策 ・地震・豪雨・融雪時の斜面災害 ・富士山の雪代災害 ・火山灰の地盤工学的特徴 ・地盤構造物の設計・施工・維持管理

佐藤賢之介

【研究テーマ】コンクリート(セメント硬化体)の劣化メカニズム・耐久性に関する研究
 社会基盤施設の建設に広く用いられるコンクリートは、使用材料の品質や様々な環境中の作用を受けて、経年劣化を生じます.コンクリート構造物を長期にわたって安全に利用するためには,劣化メカニズムの詳細を明らかにし,適切な時期に適切な方法で維持管理を行うとともに,新設構造物についてはコンクリートを高耐久化することが求められます.私の研究室では,セメント・コンクリート硬化体を構成するナノ・ミクロスケールの“セメント水和物”の挙動に着目し,コンクリートに生じる様々な現象を化学分析によって明らかにする取組みを行っています.

水工水理学・水資源学系
20100413souma
相馬一義
【研究テーマ】水工水理学(水文気象学;ゲリラ豪雨、都市気象、気候変動、減災)
croud10cloudresolvearo5okinawakaobs 近年温室効果ガス排出など人間活動がグローバルな気候に与える影響が懸念されていますが,水災害の被害を減らす・水資源の確保を目指すためには,都市活動の活発化など局地的な人間活動の影響も同様に重要になってくると考えられます. そのような都市活動や農地灌漑などを取り入れた数値気象モデルを開発し,それを日本のゲリラ豪雨予測や,日本・東南アジアの気候変動予測に役立てることを目指しています.開発した数値気象モデルから得られる高度な気象予測情報を,土砂災害や洪水被害の軽減に役立てる具体的なシステムについても同時に開発しています.

計画・防災系
muto01
武藤慎一
【研究テーマ】経済均衡モデルを用いた公共事業評価
muto02 土木環境工学の分野が対象とする公共事業は、税金を投入して実施されるものが多いです。そのため、事業実施による効果を適切に計測し、それを整備費用と比較して効果が費用を上回っているのかを明らかにした上で、事業を実施することが大切と言えます。本研究室では、このような政府等の公共主体のマネジメントを、経済均衡モデルに基づく公共事業評価手法を開発することにより実施するための研究を行っています。
ishii01 石井信行 【研究テーマ】景観デザイン、景観計画、景観評価、まちづくり
ishii02 ■研究紹介 『橋のデザインに関する研究』 建築,自動車や生物などの構造体のメカニズムを参照して新たな美しい橋の形・システムをデザインする. 『生態系都市デザインに関する研究』 人工物により形作られる都市も一つの生態系を有しているととらえて良い環境の「まち」をデザインする. 『エンジニアの目の付け所』 エンジニアの専門能力と目の付け所の関係について明らかにしてエンジニアリングデザイン教育に生かす. 『仮想情報を付与した都市デザイン』 拡張現実(AR)で目の前の空間を加工するという都市デザインの可能性について考察する.(着せ替え都市etc) ■活動紹介 『甲府盆地を環境学園都市にしようというプロジェクト』 学生スタッフが中心となり,さまざま活動を展開中です.詳しくは,インターネットで「NPDL」を検索して下さい.ツイッターも@nobupdl
顔写真宮本 崇 【研究テーマ】想定を超えた大規模な災害に対する防災の研究
miyamoto01 地震などの自然災害に対しては,一般には過去に起きた災害に関する情報から将来の被害を想定し,国・都道府県・市町村といった単位で防災対策が検討されます.しかし,2011年東北地方太平洋沖地震は, 約1000年に1度と言われるほどの大規模な地震で,これまでに経験したことのない,想定を超えた被害が広い範囲で生じることとなりました.このような,従来の想定を超えた大規模な災害に対しては,数値シミュレーションによる被害規模の把握,想定外の事象に対しても対応可能なシステムの構築,完全には防ぐことのできない都市被害を早期に復旧するための計画の策定といった対策が有効であると考えられます. こうした対策を進めていくために,東海地震に対する山梨県の被害予測の大規模な数値シミュレーション,想定外の地震動が生じても構造物の損傷を防ぐための耐震設計の考え方,地震時における山梨県の道路ネットワークの最適な復旧計画の分析といった研究を,大学外の研究機関と協力して行っています.

環境・施設系
遠山_写真遠山 忠 【研究テーマ】 植物と微生物を利用した環境浄化と資源生産、 難分解性化学物質分解
遠山_研究図 【植物と微生物の浄化作用で汚染物質処理と環境浄化】 植物は太陽光をエネルギー源にして光合成を行い、酸素を出しながら二酸化炭素と水から糖質を合成し、さらに窒素やリンなどの無機物も取り込んで様々な有機物を合成します。一方、微生物は多彩な代謝作用によって有機物や無機物を異なる物質に変換する能力があります。その植物と微生物の機能を解明し、そして最適に利用できるようにデザインしたシステムによって汚染物質の処理を行っています。【排水処理と同時にバイオマス燃料・資源の生産】 植物や藻類を利用して排水中から窒素やリンを除去するのと同時に、その排水処理プロセスで生産された植物・藻類バイオマスを燃料や資源として利用することを目指しています。
原本先生_写真原本英司 【研究テーマ】 水環境中の健康関連微生物の動態解析
原本先生_研究図 ノロウイルスやクリプトスポリジウム原虫などの水系感染性の病原微生物は、汚染された水や食品を介してヒトに感染し、下水中に高濃度で排出されます。病原微生物の一部は下水処理を生き残り、河川や海へと達し、親水行為での水の誤飲や、病原微生物が高濃度で蓄積された魚介類を食べることでヒトへの再感染を引き起こしていると考えられています。しかしながら、水環境中での病原微生物の動態(挙動)は未だ十分には明らかにされていません。本研究室では、水環境中の病原微生物を高感度で検出するための手法の開発を目的とした室内実験から、実際の水環境中の病原微生物を検出するために下水や河川水などを採取するフィールド調査まで、幅広い研究活動を行っています。国立保健医療科学院や東京大学などの国内の研究機関に加え、アメリカ・アリゾナ大学やネパール・トリブバン大学などとも共同で研究を行っており、世界トップレベルの研究成果を挙げています。また、国際流域環境研究センターの一員として、「水」分野の幅広い専門家と一緒に活動しています。
森先生_写真森 一博 【研究テーマ】 水生植物を用いた水質浄化と資源生産、 植物-微生物共生系を利用した環境保全技術の開発、   環境浄化植物の育種
森先生_研究図 植物は日光をエネルギー源にしながら、無機物を吸収し生長します。微生物は環境中の有機物を分解・無毒化する役割を担っています。特に植栽系では微生物は 高い活性を示します。このように植物-微生物共生のシステムは、汚濁物質の吸収、分解、バイオマスの生産の能力を併せ持つことからの資源生産型の浄化シス テムへの発展が期待できるのです。さらに、バイオテクノロジーを活用して植物や微生物の潜在能力を最大限に引き出せば、その可能性はますます広がります。 生物を活用した環境共生技術が発展すれば、私たちの未来は結構明るいんじゃないでしょうか?
中村さん写真中村高志 【研究テーマ】水資源の起源推定、汚染物質の起源推定と動態解析
中村さん_研究図 【地下の水資源】 地下水は世界的にみても重要な水資源です。特にインフラの整備が不足しがちな途上国では地下水が重要な生活用水として人々の暮らしを支えています。一方、山梨県の場合、水道水源の約60%は地下水に依存しています。さらに400を超える温泉の源泉も利用され、地下水は生活や経済活動のための重要な資源となっています。地下水の起源や水質がどのように変化するのかを解明し、地下水資源の保全と有効活用のための情報を提供したり、水資源への付加価値を見出しています。【環境同位体観測による起源・動態解析】 地下の情報は思ったよりも少なく、地下深部の様子を実際に見たことのある人はいません。したがって、水の中に溶けている成分の特徴や、水の水素や酸素、溶存物質の窒素や炭素の同位体を測定することで得られる情報を手がかりに、地下で起こっていることを推定しています。

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