山梨大学工学部 土木環境工学科 山梨大学 工学部 土木環境工学科

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原本英司教授が「第5回ジャパンリサーチフロントアワード」を受賞

2024年05月29日

2024年5月22日(水)に赤坂TKPカンファレンスセンターにおいてクラリベイト・アナリティクス・ジャパン社による「第5回ジャパンリサーチフロントアワード」の授賞式が執り行われ、卓越した先端研究領域において活躍・貢献が認められる研究者に贈られる同アワードを原本英司教授(国際流域環境研究センター、学部担当:土木環境工学科/土木環境工学コース)が受賞いたしました。

クラリベイト社では、同社が提供する世界最大級の学術論文データベースである「Web of Science」の各研究分野において最も高い頻度で引用されている上位1%の論文(高被引用論文)のうち、後に発表された論文と一緒に引用(共引用)されている論文を分析することで、今後飛躍的な発展が期待される先端研究領域(リサーチフロント)とそこでの活躍・貢献が認められる研究者の選出を行っています。8年ぶりの発表となる今回は、2018年1月~2023年10月にデータベースに収録された論文を対象に、被引用数の伸びが著しく上昇傾向にある論文と学術分野に着目して12,726のリサーチフロントを選出し、日本の研究機関の存在感が大きい213についてさらに分析を行った結果、最終的に11のリサーチフロントと11名の受賞者が決定されました。

今回、原本教授が受賞したリサーチフロント名は「下水疫学」(Wastewater-based epidemiology)です。

原本教授は、下水処理場の流入水中の新型コロナウイルスを測定することで、地域における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行状況を捉える「下水疫学調査」に関する研究にパンデミック当初より取り組んでおり、今回同じく「下水疫学」のリサーチフロントで受賞した北島正章特任教授(東京大学)とも協働し、下水疫学調査の有効性を提唱する世界初の総説論文を発表し、国内初となる下水中の新型コロナウイルスの検出に成功しました。さらに、タカラバイオ社との共同研究により下水中の新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、腸管系病原細菌を高感度で検出可能なリアルタイムPCRキット、JNC社との共同研究により下水中の新型コロナウイルスの磁気分離濃縮キットを開発したほか、多種類の病原ウイルスを対象とした一斉検出法を開発し、複数の国際共同研究プロジェクトにおいてアジア途上国での下水疫学調査を展開する等、ウィズコロナ時代に下水疫学調査を広く活用していくための技術基盤を構築しました。

受賞した原本教授は、「この度は、栄誉ある賞を授与いただき大変光栄に存じます。今回のリサーチフロント名の「下水疫学」は、私と北島先生の2人で2020年に考案した用語であり、この4年間で新しい学術分野として認められたことを嬉しく思います。下水疫学は学生時代から継続的に取り組んできた研究テーマの一つですが、パンデミック下で改めて社会的にも注目・期待を集め、研究成果の社会実装という大きなやりがいを感じながら研究を進めてきました。研究の推進に際し、研究室のメンバー、国内外の多くの共同研究者・機関の方々のご協力に感謝申し上げます。今後も世界レベルの成果を挙げて社会に貢献できるよう、引き続き研究に取り組んでいく所存です。」と述べています。

 

クラリベイト社ウェブサイト:日本がリードする先端研究領域と、その領域で活躍する研究者を発表~5度目の「リサーチフロントアワード」において、11領域11名を選出、表彰~

 

(写真提供:クラリベイト社)

 

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